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国家公務員採用総合職試験(大卒程度)学習ガイド:区分の違いと演習で固める準備

専門区分と教養区分の形式の違いを整理し、区分別の科目構成、数の推理・憲法・経済学・政策論文の完全な演習例、合格の決まり方までを2026年度の公式案内に基づいて解説します。

Updated September 202617 min readStudy GuideJapan Civil Exam
Anna Anderson

Anna Anderson

Japan Civil Exam Editorial Team

まず自分が受ける区分(教養区分を除く専門区分か、教養区分か)を確認し、その区分の形式と科目構成を受験案内の別表で固定することから始めてください。本稿では形式の整理に加え、数の推理・憲法・経済学・政策論文の演習例を通して、準備の進め方を具体的に示します。

まず確認する:専門区分と教養区分のどちらか

この試験は政策の企画・立案や調査・研究を職務とする係員の採用試験で、教養区分を除く区分と教養区分では試験内容が大きく異なります。最初に自分の区分を確定させることが準備の出発点です。

国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)は、政策の企画・立案や調査・研究を職務とする係員を採用するため、人事院が実施する試験です。2026年度には教養区分と、それ以外の区分があり、構成が異なります。

教養区分以外では、第1次試験で基礎能力試験と専門試験を課します。専門には「政治・国際・人文」「法律」「経済」などの区分があり、科目と選択方法が定められています。以下では主に共通の基礎能力と文系区分の入門例を扱います。各技術系区分の全専門範囲を網羅するものではありません。

教養区分は、専攻分野にとらわれない広範な見識を持つ人材を確保するための区分で、専門試験がありません。2026年度から春にも実施されるようになり、年2回の受験機会があります。

どちらを選ぶかで学習内容が根本的に変わります。まず自分の専攻と志望に合う区分を決め、その区分の受験案内を読むことから始めてください。院卒者試験は別の試験であり、本稿では扱いません。

出典: 総合職試験(大卒程度試験)|国家公務員試験採用情報NAVI — 試験の趣旨・受験資格・試験の日程・参考; 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表); 総合職試験(大卒程度試験)「教養区分」の年2回実施について — 試験内容・併願・採用候補者名簿・官庁訪問

専門区分の第1次・第2次試験の形式

第1次試験は多肢選択式の基礎能力試験(30題・2時間20分)と専門試験(40題解答・3時間30分)、第2次試験では専門試験(記述式)と政策論文試験、人物試験が課されます。

第1次試験の筆記は二種目です。基礎能力試験は知能分野24題(文章理解10題、判断・数的推理14題、資料解釈を含む)と知識分野6題(時事・情報)の計30題を、2時間20分で解きます。

専門試験(多肢選択式)は3時間30分で40題解答します。出題科目と題数は区分ごとに別表で定められており、次の節で概要を示します。

第2次試験では、専門試験(記述式)を原則2題・3時間で書きます。工学区分のみ、選択科目によって解答題数が1題または2題になると受験案内に明記されています。同じく第2次で、政策の企画立案に必要な能力や総合的な判断力・思考力を問う政策論文試験(1題・2時間)と、人柄や対人的能力をみる人物試験(個別面接)が課されます。第2次の筆記試験の際には、人物試験の参考として性格検査も行われます。

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

区分ごとの専門試験(多肢選択式)の構成

多肢選択式はどの区分も40題解答ですが、必須問題と選択問題の中身は区分ごとに異なります。自分の区分の構成だけを正確に覚えてください。

専門試験(多肢選択式)は、必須問題と選択問題を組み合わせて40題解答する構造です。ただし出題科目と配分は区分ごとに大きく異なり、ある区分の構成を別の区分に持ち込むと準備の方向を誤ります。

例えば法律区分では、憲法7題・行政法12題・民法12題の計31題が必須で、残り9題を商法・刑法・労働法・国際法・経済学・財政学などの18題から選びます。政治・国際系(コースA)では政治学・国際関係・憲法の25題が必須です。

経済区分は経済理論・財政学・経済政策・経済事情・統計学・計量経済学などを中心とする別の構成で、必須と選択の組み合わせも他区分とは異なります。正確な題数と選択方法は受験案内の別表に定められているため、申込前に必ず自分の区分の行を確認してください。

区分必須問題選択問題
政治・国際・人文:コースA(政治・国際系)政治学10題、国際関係10題、憲法5題の計25題行政学・国際事情・国際法・行政法・民法・経済学・財政学・経済政策など30題から任意の15題
政治・国際・人文:コースB(人文系)政治・国際関係・憲法、思想・哲学、歴史学、文学・芸術、人文地理学・文化人類学、心理学、教育学、社会学の計25題人文系・社会科学系の30題から任意の15題
法律憲法7題、行政法12題、民法12題の計31題商法・刑法・労働法・国際法・経済学・財政学など18題から任意の9題
経済経済理論16題、財政学・経済政策5題、経済事情5題、統計学・計量経済学5題の計31題経済史・経済事情、国際経済学、経営学、憲法、民法の各3題、計15題から9題

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

教養区分の形式と併願のポイント

教養区分には専門試験がなく、第1次は基礎能力と総合論文、第2次は企画提案・政策課題討議・人物試験です。春と秋で併願の可否が変わる点に注意してください。

教養区分の基礎能力試験はⅠ部とⅡ部に分かれます。Ⅰ部は基礎能力試験30題(知能分野24題と時事・情報6題)を2時間20分で、Ⅱ部は知識分野20題(自然・人文・社会)を1時間で解きます。第1次の合格は基礎能力試験の成績で決定され、総合論文試験(1題・2時間30分)は第1次合格者を対象に評定した上で、最終合格者決定の際に他の種目と総合されます。

第2次試験は三種目です。企画提案試験では課題と資料が与えられ、政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)を作成して試験官に説明し、質疑応答を受けます。政策課題討議試験はグループ討議によるプレゼンテーション能力やコミュニケーション力の試験で、人物試験は個別面接です。

併願のルールは時期で変わります。春の教養区分は、第1次試験が同日である教養区分以外の区分とは併願できません。一方、春にどの区分を申し込んだ場合でも、秋に実施される教養区分とは併願できます。

公式紹介では、教養区分は主に大学2年生に相当する年齢から受験できると案内されています。ただし「大学2年生」という学年だけで資格を判断せず、生年月日などの条件を受験案内で確認してください。採用候補者名簿の有効期間は公式紹介で7年間とされています。

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表); 総合職試験(大卒程度試験)教養区分|国家公務員試験採用情報NAVI — 試験の趣旨・受験資格・試験の日程(春・秋); 総合職試験(大卒程度試験)「教養区分」の年2回実施について — 試験内容・併願・採用候補者名簿・官庁訪問

基礎能力の数的推理:加重平均の設例と推論の落とし穴

判断・数的推理では資料解釈が含まれます。割合を無条件に平均しない加重平均の計算と、「すべてAはB」から「すべてBはA」を導かない推論の区別を、手を動かして固定しましょう。

基礎能力試験の判断・数的推理では資料解釈が14題の中に含まれます。表やグラフの数字を扱う際、割合の基になる件数が異なるのに割合をそのまま平均してしまう誤りが典型的です。次の設例で計算の手順を確認してください。

設例(学習用の架空データ):ある許認可窓口が4月に250件、5月に150件の申請を受理しました。オンライン申請の割合は4月が40%、5月が60%です。2か月全体のオンライン申請の割合を求めます。

(40%+60%)÷2=50%とするのは誤りです。割合の基になる件数が異なるため、件数で加重する必要があります。全体では190件÷400件=47.5%です。データの「重み」を意識する習慣が、資料解釈問題の土台になります。

演習

ある架空の自治体の許可データベースには「オンラインで申請された案件は、すべて担当課の内容確認を経て受理されている」という記録があります。この記述だけから、「内容確認を経て受理された案件は、すべてオンラインで申請された」と結論づけられますか。理由を述べ、元の記述と矛盾しない反例を一つ挙げてください。

解答を表示

結論づけられません。「すべてのAはB」は、AがBに含まれることしか示していません。

「オンライン申請された案件(A)は内容確認を経て受理される(B)」という記録は、AがBの部分集合であることを表すにすぎず、B側にA以外の案件が含まれる可能性は排除していません。反例として、窓口で紙により提出され、同じ担当課の内容確認を経て受理された案件が挙げられます。この案件は元の記録と矛盾しません。包含関係のどちら向きの主張かを設問ごとに確認する癖をつけてください。

月申請件数オンラインの割合オンライン件数
4月250件40%100件
5月150件60%90件
合計400件―190件(47.5%)

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

憲法:三権の条文対応を演習で固定する

憲法は多くの区分で出題科目です。41条・65条・76条がそれぞれ立法・行政・司法のどの権限を定めるか、対応を即答できるようにします。

憲法は政治・国際系や人文系コースの必須科目で、法律区分でも7題が出題されます。土台として、国家権力の各権限がどの条文に置かれているかを正確に対応させられるようにしましょう。

41条は国会を国権の最高機関であり国の「唯一の立法機関」と定めます。65条は行政権の内閣への帰属を、76条は司法権の最高裁判所及び下級裁判所への帰属を定めます。76条はさらに、裁判官が良心に従い独立して職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束されること、そして行政機関が終審として裁判を行えないことも定めています。

演習

次の①〜③を、それぞれ憲法41条・65条・76条のいずれに対応するか答えてください。①国の唯一の立法機関は国会である ②行政権は内閣に属する ③すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。その上で、65条に行政権の帰属が定められているにもかかわらず、内閣が立法機関ではない理由を、条文の言葉を使って一つ説明してください。

解答を表示

①41条、②65条、③76条です。41条は国会を国の唯一の立法機関と定め、65条は内閣に行政権を属させているため、両者の役割は区別されます。

この設問では、国会・内閣・裁判所の基本的な権限の対応を問うています。行政権を持つことを理由に、内閣を国会と同じ立法機関とすることはできません。76条2項では行政機関が終審として裁判を行うことも禁じています。政令など個別の制度の詳細まで、この基本対応だけで判断する問題ではありません。

出典: 日本国憲法(衆議院) — 第41条・第65条・第76条; 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

ミクロ経済学:均衡の計算演習

経済学は経済区分の中心科目であると同時に、他の区分でも選択科目に含まれます。需給モデルによる均衡計算は白紙から解けるようにしておくと安心です。

経済区分では経済理論が多肢選択式の中心で、政治・国際系など他の区分でも経済学が選択科目に含まれます。計算問題に備えて、需要関数と供給関数から均衡を求める手順は、図に頼らず式で再現できる水準を目指してください。

演習

架空の市場を考えます。需要関数をQd=90−2P、供給関数をQs=10+2Pとします(Pは価格、Qは数量)。均衡価格と均衡数量を求めてください。

解答を表示

均衡価格P=20、均衡数量Q=50です。

均衡は需要量と供給量が一致する点なので、90−2P=10+2Pと置きます。これを解くと80=4P、P=20です。P=20を供給関数に代入するとQ=10+40=50、需要関数に代入してもQ=90−40=50となり一致します。この数値は計算練習用の架空モデルであり、実在の市場や日本の統計を示すものではありません。係数を変えて同様に解く練習を繰り返すと、式の立て方が機械的にできるようになります。

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

政策論文試験:短縮版の設例で構成を練習する

政策論文試験は1題・2時間の論文です。「前提→判断→根拠→限界→代替案」の構成を、短く完結する練習設例で身につけましょう。

専門区分の第2次試験では、政策の企画立案に必要な能力や総合的な判断力・思考力を問う政策論文試験が課されます。いきなり2時間分の論文を書くより、まず短い設例で構成を固定するのが学習上の方法です。次の設例は本番より短い練習用タスクであり、本番の問題形式や評価基準を示すものではありません。

演習

【短縮練習(本番は1題・2時間の論文です)】架空の市には、公共施設のバリアフリー改修に使える予算として1,000万円があります。選択肢Aは中央図書館1か所の全面改修で、費用1,000万円、年間利用者約20万人全員が受益します。選択肢Bは地区公民館2か所の部分的改修で、費用は各500万円の計1,000万円、各地区の年間利用者約3万人、合計約6万人が受益します。予算制約とアクセシビリティ向上の観点から、どちらを優先すべきかあなたの判断を述べてください。前提、判断の限界、代替案の3点に必ず触れること。

解答を表示

【解答例】効果の第一の尺度を受益者数と置くという前提に立てば、選択肢Aを優先すべきです。同じ1,000万円で受益者が約20万人と約6万人では、アクセシビリティ向上の規模が大きく異なるためです。ただしこの判断には限界があります。地区公民館を利用する人にとっては遠い中央図書館への移動負担が大きく、受益者数だけでは実感される便益を測れません。改修の質や内容の違いも比較に含めていません。Aだけで予算を使い切るため、追加費用のかかる移動支援を同時実施するとは約束できません。代替案として、地区のアクセス上の障壁が特に大きいと追加調査で分かれば、今回はBを優先する判断も考えられます。利用者数だけでなく、利用できない人の困難の大きさを確かめて最終判断します。

「前提の明示→判断→根拠→限界→代替案」の順に書くと、限られた字数でも論理が通る文章になります。数字が与えられた設問では、数字から読み取れること(受益者数と費用)と読み取れないこと(移動負担、改修の質)を分けて書くことが、判断力を示す核になります。この短縮版で構成を固定した後、本番と同じ2時間の通し練習に進んでください。

出典: 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表)

教養以外の区分:合格の決まり方と次のステップ

合格は各種目の「標準点」を総合して決まります。基準点は最低ラインであり、多肢選択式では原則満点の30%です。最終合格後は官庁訪問を経て採用に至ります。

ここでは教養区分以外の合格者決定方法を説明します。筆記は素点そのものではなく、種目ごとの平均点と標準偏差を用いた標準点で評価し、成績を総合します。教養区分には別の種目・配点があるため、この節の比率を当てはめないでください。

標準点を算出する際の配点比率は、基礎能力試験2、専門試験(多肢選択式)3、専門試験(記述式)5、政策論文試験2、人物試験3の計15です。各種目には基準点があり、多肢選択式では原則として満点の30%、記述式では個別に定められます。人物試験ではD評価に達しない受験者は、他の種目の成績にかかわらず不合格です。30%はあくまで最低ラインであり、ここを超えただけで競争上安全という意味ではありません。

第1次試験の合格は、基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)で基準点以上の受験者のうち、両種目の標準点の合計に基づいて決まります。最終合格は5種目の標準点の合計に、外部英語試験による加算点を加えた得点で決まります。

最終合格しても採用が自動的に決まるわけではありません。合格後は官庁訪問で志望府省の業務説明や面接を受け、内々定を得ることで採用に至ります。多肢選択式の演習を積むことは重要ですが、それは記述式・論文・面接の準備の代わりにはなりません。

申込期間や試験日は年度ごとの受験案内で確認してください。2026年度の春試験や教養区分秋試験の申込受付はすでに終了しており、今後の案内の公表を公式サイトで確認することになります。

  • 自分の区分の受験案内と別表で、出題科目・題数・選択方法を確認する
  • 過去問題は人事院が公式に掲載している試験問題で確認する
  • 英語試験の加算を狙う場合は、認められる試験の種類と証明書類の要件を案内で確認する
  • 多肢選択式は本番形式の題数と時間で通し演習し、記述式・論文・面接は別途準備する

出典: 2026年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法 — 標準点・配点比率・基準点・第1次・最終合格者の決定; 2026年度人事院 国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内 — 試験種目・試験の方法/試験の区分(別表); 総合職試験(大卒程度試験)「教養区分」の年2回実施について — 試験内容・併願・採用候補者名簿・官庁訪問

出典

事実確認済み:

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FAQ

Frequently Asked Questions

Practical answers to help you apply the guidance for 国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験).

記述式の専門試験は何題書きますか。
原則として2題を3時間で書きます。ただし工学区分のみ、選択科目によって解答題数が1題または2題になると受験案内に定められています。
英語の点数加算の対象となる試験はどれですか。
TOEFL iBT、TOEIC Listening & Reading Test(公開テストに限る)、IELTS、実用英語技能検定が対象で、スコア等に応じて総得点に15点または25点が加算されます。証明書類の詳細は公式案内で確認してください。
過去問題はどこで入手できますか。
人事院が国家公務員試験採用情報NAVIのページでこの試験の試験問題を掲載しています。
大学2年生でも受けられますか。
教養区分は主に大学2年生に相当する年齢から受験できると案内されています。学年だけで判断せず、その年度の生年月日などの条件を公式受験案内で確認してください。教養以外の区分とは条件が異なります。

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